この時期に紹介している本です。

民法について一番お勧めできる本です。
ちまたでは「民法改正がわかった!」の方がよく読まれていますが、概念論を知っておくことも必要です。

民法改正がわかった
田中 嗣久
法学書院
2019-04-01


学習というよりも、民法の現状や将来の展開について知ることができます。
まだの方は、是非読んでほしいと思います。

本のタイトルは、『民法改正


契約のルールが百年ぶりに変わる?

私も民法とはそんな古い法律だったのかを初めて知ったことになります。

そして、ついにその民法が変わることになりましたね。

以下法務省のサイトより引用です。

平成29年5月26日,民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)が成立しました(同年6月2日公布)。
民法のうち債権関係の規定(契約等)は,明治29年(1896年)に民法が制定された後,約120年間ほとんど改正がされていませんでした。
今回の改正は,民法のうち債権関係の規定について,取引社会を支える最も基本的な法的基礎である契約に関する規定を中心に,社会・経済の変化への対応を図るための見直しを行うとともに,民法を国民一般に分かりやすいものとする観点から実務で通用している基本的なルールを適切に明文化することとしたものです。
今回の改正は,一部の規定を除き,平成32年(2020年)4月1日から施行されます

各種PDFがアップされています。
ダウンロードして目を通すことも大事です。

■ 法律 【PDF】
■ 新旧対照条文 【PDF】
■ 改正の概要 【PDF】
■ Q&A 【PDF】
■ 説明資料
  −主な改正事項(1〜22) 【PDF】 
  −重要な実質改正事項(1〜5) 【PDF】 
  −経過措置 【PDF】

今年の試験に直接的に関係してきますので、注意して重要です。

私自身、民法との最初の出会いは悪い印象でした。

確かに宅建試験を始める方の最初の壁に、民法はなるケースが高いですね。
その現在の民法が生まれたのは前述のとおりなんと1896年(明治29年)。

19世紀末の日本が近代国家として西洋諸国と伍していくために国家戦略の一環として制定されています。

ちょうど一昨年に坂の上の雲が放映されていましたが、そんな時代に生まれたものだといった方がわかりやすいと思います。

特に、この本『民法改正』で取り上げている内容は契約法に関する部分です。

契約はいろんな場面で登場しますし、いろんな様態も現代では登場しています。

流石に100年以上前に作られたものでは当てはまらないものが出てくるのは必然だと感じます。

日本がモデルとした民法はフランス民法であり、解釈に関してはドイツ民法の影響を受けているようです。

本書によると、著者の知人の弁護士や裁判官に改正の話をすると嫌がられる方もいるようです。

解釈でうまくまわっている現状もあるわけですから・・
せっかく条単位で覚えているのが無駄になる・・・

また先般の会社法の改正のように条文の中の文字数が増え、対応に苦慮した経験を踏まえ反対される意見も多いようです。

ただ、一般市民の立場にたつべきだと書かれているこの著者の意見には賛成です。
大企業には法務の専門部署があり、大手の論理から見れば不要かもしれません。
またベテランの法曹関連の方からみれば、改正は不要なのかもしれません。
しかし実態に即さないものがこの本を読んだ後に、多々あることを実感できました。

これから法律関係の仕事に進まれる方は、是非グローバルな視点を必ずもってほしいですね。

ヨーロッパ諸国で民法が現実に則して改正されている流れの中で、日本だけが旧態依然に固執することは子供達の未来のために決していいことではありません。
幸い日本の法曹界は、世界にも誇れる水準にあるようです。

事実カンボジアの民法について、日本の民法学者が深く関与し現在に則した立派な民法を作られているようです。

よって今回の改正によって、一部が現実路線に近い内容になるはずです。
その方が将来的に役立つ内容になります。

この本を書かれた方は、内田 貴さん。

東京大学法学部教授を経て、2007年10月より法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与になられている方です。

安定した東大教授の職を捨て、自らいばらの道に飛び込んだ情熱の熱い方だと推測します。

専門は民法学です。

是非今、宅建試験学習において民法にアレルギーを感じている方こそ読んでみてください。

民法の背景や今後の課題を知ることは、民法がより身近に感じられ今後の学習意欲が増すとともに、理解がより深まるとことと思います。
(単にテキストだけで得る知識だけでなく、将来的なことを視野に入れて読んでもらえればと思います)

ただし興味をもったからといってのめりこまないでくださいね。
もし、のめりこむ場合は宅建試験の民法とは切り離して考えてください。

宅建試験の民法は、宅建試験用として別物でとらえてください。

でないと・・・深みにはまります。

宅建試験本番において、民法をより正確に解くことに時間を割きすぎると他の項目の対応がおろそかになります。

民法が満点であっても、得点配分の多い宅建業法を多く落とせば不合格です。

この割り切りが成否を分けます。
あなたにとって、上記の恐れがあるもののやはり私はお勧めしたい本です。

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