令和4年宅建士試験合格体験の第二弾です。
読んでて目頭がウルウルくる家族愛あふれた内容です。

それでは、どうぞ!

私は昭和43年生まれ、現在53歳です。
私は約2年前、肺がんの宣告をされ入院生活が始まりました。
ステージ3Bで手術は無理とのこと。

治るのか治らないのか?
いつ退院できるのか?
仕事は続けられるのか?
まったく見通しが立たない状況になり、貯金も底をつきかけ、もしものときを考え、高卒でずっと専業主婦で履歴書に書けることが何もない妻に宅建を取ることを勧めました。
そして、妻がチャレンジを決心しました。

しかしコロナ禍において、家族ですら面会もできない状態では何のアドバイスもできず、向かえた令和3年の一度目の受験で失敗。
自己採点結果を聞いたところ、20点台とのこと。

そもそも勉強というものを継続してやったことがなかった妻にとって独学での受験はかなり厳しく、自分にはこんな難しい資格は無理だと諦めてしまった様子でした。

そして迎えた令和4年の7月。
私の闘病生活はまだ続いていましたが、とりあえず退院はすることができました。
あらためて妻と宅建の話をしたところ・・・
「私もチャレンジしてみるからお母さんも一緒に頑張ろうよ!」
と、中2の娘からの言葉に妻も再チャレンジを決心しました。

ならばと・・・
「じゃ、俺も受ける。家族三人で合格しよう!」
家族三人で受験決意をしたのが、試験申し込みの前日・・・7月28日でした。

ただでさえ医療費が家計を圧迫していたうえに、受験するのが三人となると、予備校・通信等の指導を受けるのは無理なので、市販の基本書・問題集を買い、持分に応じて使い合いをいう父A、配偶者B、そしてその子Cへと共有しました。

具体的な勉強方法については、一般的な基本書 → 問題集ではなく、問題集 → 基本書 → 問題集 というやり方でした。
もう少し具体的に書きますと・・・

1)いろいろな単元・分野ごとに一問一答を読む。
(解くではなく読む、どんな言葉が出てくるのかを知り、どんな文章で使われるのかを知る)
2)基本書の該当部分を読む
3)再び一問一答を「読む」
4)また基本書を読む
5)四択の過去問を「読む」
6)次の単元に進む
これをひたすら繰り返しました。

とにかく「解く」ではなく「読む」を意識しました。
また、いわゆる忘却曲線を意識して、例えば「区分所有法」のところを今日やったとしたら、二日後に同じ部分で上記の作業を繰り返し、その四〜五日後、そしてその一週間後に同じ部分を何度も何度も繰り返しやることによって、
忘れて思い出して、また忘れて思い出してを続けました。

結果、父A 42点で合格
配偶者B 35点で不合格
子C 36点で合格

という結果になりました。
惜しくも家族三人での合格は果たせませんでしたが、妻も手ごたえを感じることができたので、次回は必ず40点以上で合格するという覚悟で既に令和五年度の試験に向けて頑張り始めてます。

私と娘は年明け早々に登録実務講習を受ける予定です。
50代の父と中学校の娘が、同じ教室で授業を受けるおそらく最初で最後の機会になるかと思うととても感慨深いです。

最後に・・・
宅建は法律で言えば「小学校レベル」です。
ある司法書士試験の有名講師が以下のようなことをおっしゃっています。
「司法書士試験は小学校・中学校レベルです。
これは、小学生や中学生と同程度の勉強で合格できるという意味ではありません。
『法律』を『数学』や『英語』などのひとつの科目として捉えた場合に、司法書士試験のレベルが小学生・中学生レベルだということです」

「大学レベルの学習をされたい方は、小学校・中学校レベルの基礎をきちんと身につけ、司法書士試験に合格したあとにしてください。
なお、小学校・中学校レベルと言っても、小学生や中学生と同程度の勉強量で合格できる試験ではありません。
決して司法書士試験の合格は容易ではありません。
その原因は <量> です。
『法律』という科目の中では、小学校・中学校レベルなのですが、その量が膨大であるため、この試験が難しくなっているのです」
(司法書士5ヵ月勉強法 自由国民社より出版 より一部抜粋)

これは辰巳法律研究所の有名講師である松本雅典先生が宅建受験生向けにではなく、「司法書士」試験の受験生に向けて書かれた御著書の中からの抜粋です。

私のこの体験記を読んで頂いた方は、もしよければ書店に行って、宅建の過去問と司法書士の過去問をなんとなく見比べてみてください。

そして、宅建の基本テキストと、司法書士のそれの「量」の違いを見比べてみてください。
宅建は難しい試験だというイメージがふっとぶと思います。

これから受験する予定のかたは、是非次回の試験を最後の宅建受験にする覚悟を決め、そして最低でも40点以上で合格するつもりで、とにかく繰り返し繰り返し、忘れて思い出すを何度も重ねながら頑張ってください。

必ず合格します。

お読みいただきありがとうございました。


Tさん親子合格証書

<イッチャンのコメント>
最初は奥さんの受験でスタートし、残念な結果になってからの家族3人受験での再スタート。
本当に素晴しいです。
資格受験を家族で受験する・・・今度の家族の新しいコミュニケーションになるかもしれません。
残念なことに、合格が分れる結果になりましたが、来年はきっとぶっちぎりで奥さんがリベンジ合格果たされると思います。
家族の愛の力に勝る物なしです。
そのときまで、家族三人での本当の意味での合格おめでとうとは温めておきたいと思います。